おなかの中にいる赤ちゃんの病気や健康状態がわかる「出生前診断」が広がっていることを受け、親の相談窓口をつくる動きが出ている。胎児の病気などがわかった場合にどうしたらいいのかについて、相談先が乏しいことが背景にある。
「不適切な新出生前診断減らす」意義強調 理解に支援を
埼玉県に住む女性(43)は30代後半で妊娠したとき、出生前診断を受けるか悩んだ。「母体血清マーカー」と呼ばれるもので、ダウン症候群や18トリソミーなどの確率を算出するものだ。「たとえ障害があっても出産する」と決めており、最終的には受けなかった。ただ後になって、胎児に病気が見つかった場合、病気によっては出産前から治療を受けられることを知った。「出生前診断は、子どもが健康かどうか知るためだけのものだと思っていた」という。
英国で胎児医療の研修を受けた経験を持つ産婦人科医の林伸彦さんは2015年、NPO法人「親子の未来を支える会」(千葉市)を設立した。医師、看護師ら医療関係者に加え、生まれつきの病気や障害がある子どもの家族らがメンバーだ。「支える会」が立ち上げた、同じ悩みを抱える人同士をつなげるオンラインサービス「ゆりかご」には約170家族が登録している。
「出生前診断でダウン症の可能…