厚生労働省は、従来の治療が効かなくなった白血病患者らへの新たな治療法として期待される「CAR(カー)―T細胞療法」の製剤キムリアについて、公的医療保険の適用対象とし、公定価格を3349万3407円にすることを決めた。15日午前に開かれた中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)の総会に諮り、承認された。22日から保険が適用される。
キムリアは遺伝子治療技術を使う初の製品で、ノバルティスファーマ(本社スイス)が開発した。体内の異物を認識して攻撃する「T細胞」を患者から取り出し、がんを攻撃するよう遺伝子を加えて戻す。1度の点滴で済む。
特定の血液細胞ががん化した白血病とリンパ腫の一部の患者が対象で、厚労省は年216人と見込む。患者負担は医療費の原則1~3割だが、年齢や所得に応じて上限額を設ける「高額療養費制度」がある。キムリアは米国では4千万~6千万円超する。