大阪市で主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれる6月28、29日、同市西成区の歓楽街・飛田新地で飛田新地料理組合に加盟する全159店が営業を自粛することがわかった。組合が取材に対し、明らかにした。営業自粛は、昭和天皇が崩御した1989年以来、30年ぶり。
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組合によると、昨年11月に「混乱を防ぎ、秩序を保つため」に営業自粛を決めた。1週間前の6月21日から30日までは「のれん祭り」を催し、G20にあわせてつくった統一の白いのれんを全店舗の店頭にかける。ふだんは、通りから店内の様子や従業員の姿がうかがえる店舗が多いが、「のれん祭り」の期間中は店内の様子は見えなくなるという。
組合の役員は「日本でG20を開いて良かったと思ってもらえるように、美しい飛田をつくる」と話した。
大阪府発行の大阪百年史などによると、1918年に飛田遊郭ができたが、58年の売春防止法完全施行で転廃業を迫られた。61年に飛田新地料理組合が結成され、現在は風営法に基づく「料亭」の営業が続く。(野崎智也)