大手企業以上の採用難に苦しむIT系ベンチャーで、自社から遠く離れた所に住む人を採用する動きが広がっている。打ち合わせをチャットで済ませるなど、仕事はすべてパソコンを使った「リモートワーク」。自宅と職場が数百キロ離れる例も珍しくなくなっている。
スポーツの専門家による指導が受けられるスマホアプリなどの開発企業「だんきち」(大阪府摂津市)。開発の現場リーダーを務める伊豆丸祐恭(ゆたか)さん(32)の自宅は、会社から400キロ強離れた東京都中央区にある。自宅からチャットやテレビ会議を駆使し、各プロジェクトをまとめる。
「エンジニア仲間が多く、様々な情報が得られる東京を離れるつもりはなかった」が、事業の内容は魅力的だった。同社が2017年に始めたリモートワーク採用に応募し、18年に入社した。
同社は現在、社員9人のうち社…