兵庫県尼崎市立尼崎高校男子バレーボール部の体罰問題で、臨時講師の男性コーチ(28)が3年生部員に「お前はサイコパス(精神病質者)か」と言いながら暴力をふるっていたことが、市教育委員会の調査でわかった。市教委は部員の人格を攻撃する言葉とみて問題視している。
後ずさる部員に平手打ち 尼崎市教委「体罰容認の空気」
市教委の調査によると、コーチは4月29日、練習中の部員の様子に腹を立てて10回以上平手打ちし、鼓膜裂傷のけがをさせて一時意識を失わせた。当時コーチが「サイコパス」と言っていたと周囲にいた複数の部員が証言しているという。
「サイコパス」は犯罪心理学などでは「良心が欠落した反社会的人格の持ち主」との意味で使われることが多い用語で、安易な使用が精神疾患への偏見や差別を助長しているとの指摘もある。
市教委の調査に対し、コーチは「自分に自信がなかった。実績のある監督には従う部員たちも、自分の指示にはあまり従わないと感じていた」と説明。「サイコパス」についても「自分の指示がなかなか伝わらないという思いから言ってしまった」と話したという。
コーチはほかにも複数の過去の…