韓国の大法院(最高裁)が元徴用工らへの損害賠償を日本企業に命じた判決について、韓国外交省報道官は23日の定例記者会見で、「日本企業が我が大法院の判決を履行する場合、何の問題もない」と述べた。日本企業が自主判断で判決に従うよう求めたとみられる。
これに対し、河野太郎外相は23日午後、訪問先のパリでの韓国の康京和(カンギョンファ)外相との会談冒頭「(報道官の発言は)事の重大性を理解していない大変な発言だ」と非難した。「こうしたことが日韓関係を非常に難しくしているということについてぜひ、認識を共有していただきたい」と呼びかけ、事態の深刻さを強調した。
日韓の外相が会談するのは今年2月以来。河野氏は会談で、日本政府が20日に要請した日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置に応じるよう康氏に求めた。日本政府関係者によると、会談で康氏は河野氏の要求には応じず、会談は平行線に終わった。(パリ=鬼原民幸、ソウル=武田肇)