米通商代表部(USTR)は5月31日、中国への制裁関税「第3弾」の税率引き上げの本格的な適用を6月15日まで一部延期すると発表した。当初設定していた1日午前0時1分(日本時間同午後1時1分)を迎える直前の発表。米トランプ政権の急な「関税攻勢」に税関の実務などが追いつかなかった可能性がある。
USTRは「(約2週間の)限定的な延長は、税関の執行上の要素と米中の海上の輸送期間に配慮したもの」だと説明している。
米政権は5月10日、中国からの輸入品2千億ドル(約22兆円)分に対する追加関税の税率を10%から25%へと引き上げたが、この際、「10日以降に中国から輸出された商品」を対象とし、海路での輸送時間が事実上の「猶予期間」となっていた。その後、USTRは10日より前に輸出された製品にも6月1日から関税をかけると通知し、このタイミングで引き上げが本格化する予定だった。(青山直篤)