Jフロントリテイリングは11日、改装中の大丸心斎橋店の本館(大阪市中央区)の開業日を9月20日とすると発表した。売り場の6割以上をテナントに任せて「脱百貨店」を進め、若者客の取り込みを図る。増加する訪日外国人の集客を強化する「インバウンドセンター」も設ける。
大丸心斎橋店には北館、本館、南館があり、本館は2015年から建て替えに入っていた。新しい本館は地上11階、地下3階の建物で、米国出身の建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが手がけた大正モダンの旧本館の外壁や内装を一部残した。
売り場面積は約4万平方メートル。その6割以上は各店の裁量で自由にサービスや商品を充実させることができるテナントで、賃貸契約による「場所貸し」だ。百貨店がメーカーと共同で設け、収益を分け合う従来型の売り場は化粧品や宝飾品など一部に留める。両方の合計で計約370店が入る予定という。
Jフロントによるこうした「脱百貨店」の先行例は、昨年4月に東京・銀座で開業した「GINZA SIX」。百貨店の課題とされてきた若年層の集客に成功したことから、今回も採用を決めた。売り上げにかかわらず安定した賃料を得られる利点もある。
Jフロントの山本良一社長は記者会見で「テナントにブランドの価値を制約なく発揮してもらうことが重要」と語った。
本館の建て替え中、売り上げを…