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「1人で死ね」差別代弁者に喝采 絶望の国にしない道は

「1人で死ねばいい」。児童ら20人が殺傷された事件で、ひとつの言葉が激しい論争を巻き起こした。そこからあぶり出されたこの国のいまに、どう向き合うべきか。


中高年のひきこもり問題、まとめ読み


コラムニスト・小田嶋隆さん「正論への苛烈な反発、驚いた」


川崎市の事件をめぐる言論で一番驚いたのは、「『1人で死ね』と言わないで」と書いた藤田孝典氏への反発の声の苛烈(かれつ)さでした。私は藤田氏の文意について「犯人を擁護したのではない。それが不安定な感情をかかえた人への呪いの言葉になることを憂慮したのだ」とフォローするツイートを発信しました。


事件直後に犯人に対し「1人で死ね」と思う感情は理解できます。私自身、学生だった頃、友人の下宿で凶悪犯罪を報じたワイドショーを見ていた時など、画面へよく罵倒の言葉を並べていました。ただSNSの時代は、脊髄(せきずい)反射の言葉が全世界に拡散し、無関係な人間に届いてしまいます。投稿でそう説明したのですが、怒りの矛先が移ったようで、ほぼ罵倒だけの直接返信が600件近く来ました。


もっとも、ツイッターは主として罵倒や怒りを運ぶメディアで、悲しみや同意は沈黙によって表現されます。なので、私は世論が怒りだけだとは思っていません。


プロファイルやタイムラインを見に行ってわかったのは、罵倒を送ってきた人々の大半が、いわゆる「ネトウヨ」だったことです。ただ、右左のイデオロギーとは関係なく、「人間の生の感情を重視し、そこに理性や倫理といった基準を持ち込むことを憎む」彼らは、むしろ「反知性主義者」と呼ぶべきなのかも知れません。


一方、この事件で対照的な言葉…


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