サントリービールの山田賢治社長が朝日新聞の取材に応じ、10月の消費増税後にビール系飲料の販売が一時的に落ち込むとの認識を示した上で「大きなキャンペーンや新商品の投入で購買を喚起したい」と述べた。
消費増税では持ち帰りの飲食料品には軽減税率が適用され8%の税率だが、外食や酒類は対象外で10%のまま。さらにサントリービールの調査では「増税後に節約したい」のは「外食・飲み会費」が約6割に上った。山田社長は酒類への節約志向が強まることを懸念し「飲食店支援の大きな施策を検討している」と話した。家庭用の販売では、前回の2014年の消費増税時には駆け込みの反動があり、前年並みに戻るのに8カ月を要した。
消費増税を見据え二つの新製品を今年投入した第3のビールでは1~6月の販売数量は前年を3%上回り過去最高だった。キレが特徴の「マグナムドライ〈本辛口〉」は苦戦するが、コクが特徴の「金麦〈ゴールド・ラガー〉」を投入した金麦ブランドは過去最高だった。山田社長は「(第3のビールで)消費者がビールに近いコクを求めている」と分析する。