5月分の景気動向指数の基調判断について、内閣府は5日、これまでの「悪化」から「下げ止まり」に引き上げた。生産や出荷が改善したことが主な要因で、景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」から2カ月で抜け出した。ただ、米中の通商対立などの不安材料があり、先行きは依然、不透明だ。
景気動向指数は、工場などでの生産、製品の出荷など、景気に敏感に反応する九つの指標をまとめたもの。一定期間の指数の動きを基準に当てはめ、機械的に景気判断も示す。中国経済の減速などの影響で、3月分の基調判断は、6年2カ月ぶりに「悪化」に引き下げられていた。
内閣府が5日公表した景気動向指数の速報値は、景気の現状を表す一致指数(2015年=100)が前月より1・1ポイント高い103・2で、2カ月連続で前月比プラス。最近の上昇幅が基準を超えたため、基調判断は自動的に「下げ止まり」に上方修正された。景気後退の動きが下げ止まった可能性が高いことを示している。(高橋末菜)