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ICT(情報通信技術)の発展にともない、ファンや後援会などが球児たちを支える活動のツールとしてソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)やブログなどの利用が広がっている。 ニュースや動画をリアルタイムで!「バーチャル高校野球」 ◇ 「おじいさんたちの後援会からの生まれ変わりに力を貸してほしい」 静岡高校(静高)野球部後援会で2015年からホームページ作りを担っている同高OBの古木直人さん(38)が後援会幹部から声を掛けられたのは、ウェブデザインの仕事で国内外を回り、静岡に戻った同年夏。懐かしさから後輩たちの試合を見に行き、後援会幹部とは知らず仕事の話もした時だった。 「?」と思ったが思い当たる節もあった。同部後援会は今年で創設101周年。長い歴史を持つ分、どうしても会合や冊子づくりなど昔ながらの手法が中心で、若い人たちがなかなか入らない。「でも野球は静高の『校技』」。自らも後援会に入り4年。一貫するのは「若い世代のOBにも静高野球部を盛り上げてほしい」との思いだ。 後援会員は約500人いるが、運営しているのは事務局の数人。夏の大会などの公式戦や戦前から続くとされる静岡商との定期戦といった試合に2~9人が集合。イニングごとに担当者を決め、「1回裏 静高の攻撃 1番相羽 空振三振 一死 2番樋口 右前安打 一死一塁」などとつぶやき、試合の内容を逐一伝える。「ツイッターを触ったことがない先輩方に投稿の仕方を教えるところから始まった」というが、今や先輩たちもてきぱきこなすようになった。 甲子園への出場回数が県内最多の静高も今年の春は中部地区で敗退。後援会の浜村綾子さん(50)は「夏は県外の人も第1戦から静高の試合が気になっている」と感じる。これまでの大会ではリアルタイムでツイッターを確認し、LINEで「今○○君が打ったね、すごい」などと、応援コメントが送られてくることもあったという。 後援会には年4~5回、OBが集まる会合がある。卒業したばかりの10代から60代までOB・OGがツイッターについて、「見ている」「楽しみにしている」などとリアクションをくれることもあり手応えを感じている。 ◇ 今夏、県勢初の連合チームになった、浜松市天竜区の浜松湖北高佐久間分校。年度あたりの入学者が増えないと廃校の可能性もある中、マネジャーの今井紅里さん(3年)は昨年、地域の商店、大見商店前の立て看板でチームの活動を紹介する活動を開始。大見商店の大見恵子さん(63)が自身のフェイスブックに投稿するようになり、住民や佐久間出身者に好評を呼んでいる。 「佐久間といえば佐久間高野球部、というところがある。夏の大会の試合には全国から出身者が集まって来る。その人たちにも今の野球部を知ってほしい」と大見さん。 今井さんの活動は「野球部マネジャーが行う新しい地域活性化策」として話題になり、昨秋にはスピーチの動画共有企画「TEDxHamamatsu」で数百人の聴衆を前に講演。インターネット上に配信された。 現代を代表する思想家や活動家たちがスピーチをする米国の「TED(テッド)」本部から認証を受けたイベント。今井さんは「世界中のたくさんの人々に佐久間を知ってもらうきっかけになったのでは」と振り返る。 エクセルで投手や打者の成績をまとめ、練習の基準になればと張り出してもいる今井さん。「ICTで山の中にある佐久間高も最先端。皆さんに活動を知ってもらえてうれしい」(宮川純一) |
スマホ片手に球児を応援 SNSで生まれ変わった後援会
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