海に生息するゴカイの一種が大きな音を鳴らすことを、京都大や串本海中公園(和歌山県串本町)などのチームが発見した。人間が指を鳴らすぐらいの音量だという。ミミズやゴカイなどが属する環形動物で、音を鳴らす種が確認されたのは世界初だという。
このゴカイは、キムラハナカゴオトヒメゴカイ。体長約2センチで、日本の太平洋沿岸に生息する。飼育中に変な音がすることに気づいた同公園の平林勲主任学芸員と京大の後藤龍太郎助教(海洋生物学)が、水中マイクで録音を試みたところ、口から音を鳴らしていることがわかった。縄張り争いで口を寄せ合う習性があり、その際に音を出しているという。
後藤さんは「今後、音の役割や、音を出すメカニズムを解明したい」と話している。
研究成果は9日、米科学誌カレント・バイオロジー電子版(
https://doi.org/10.1016/j.cub.2019.05.047
)に掲載された。(野中良祐)