(10日、高校野球秋田大会 秋田9-2大館国際)
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一回裏1死二、三塁。秋田の4番打者・塩津健志朗選手(3年)が、今大会の初打席に立った。
2球目、真ん中に来たカーブを反射的に打ち返した。打球は中前へ。走者2人をかえす適時打になった。「勢いつけられたかな」。沸き立つスタンドに向かってガッツポーズした。
1年秋に「4番」を任されてから、ずっとプレッシャーを感じていた。「自分が打たなきゃ」。意識するほど好機で打てなくなり、フォームを見失った時期があった。
無安打で終わった春の県大会を機に、基礎から立て直すことにした。1日500~600本の素振りを繰り返すうち、調子が戻ってきた。頼もしくなってきた1、2年生の姿も重圧を和らげてくれた。「打てなくても周りがカバーしてくれる」。リラックスして打席に入れるようになった。
この日は「何があっても想定内。冷静でいよう」と臨んだ。1点差まで迫られた四回表、継投の高橋真央投手(2年)を迎えた時も、捕手として「逆転されても動じないでいこう」と声をかけた。変化球中心の緩急をつけた配球で、その後を無失点に抑えた。
2回戦の相手は第1シードの明桜だ。「勝つことで甲子園が見えてくるのかなと思う。『強い秋高(しゅうこう)』を全国に見せつけたいです」(高橋杏璃)