英医学誌「ランセット」は29日の最新の社説で、中国の新型コロナ感染対策の経験に学ぶよう各国に呼びかけた。社説は、「中国の経験は将来的にいかに安全に規制措置を解除するかを判断する上で極めて重要だ。人々は苛立ちを募らせると同時に、集団やコミュニティの重要性への理解を深める。国際社会はこの国際協力の精神を利用するべきだ」と指摘した。科技日報が伝えた。
社説は、「中国の武漢市で2カ月前に実施された厳しいように見える『都市封鎖』措置は現在、世界各国の普遍的な感染抑制措置になっている。しかし多くの国は依然として世界保健機関(WHO)の感染対策に関する明確な提案、つまり大規模な検査の実施、感染者の隔離、接触者の追跡及び一定の社交的距離を置くということに従っていない。これらの国は熟慮を欠く対策を講じるだけで、一部の国は高齢者や健康問題を抱える患者を保護することで死者を減らすのに留まっている」と指摘している。
社説は、「世界的に見ると、恐怖や戸惑いといったマイナスの感情に陥っている人が多いが、一致団結し感染対策を行う例も見られる。医療衛生従事者は患者や彼らのコミュニティに対して大きな献身的精神を示しており、挑戦と危険を迎えながらもウイルスに直面する心を決めている。また感染が拡大するなか、国際的な団結・協力の例も見られる。例えば感染対策で先を行っている国、または感染対策でよい成果を上げた国は、自国が持つ資源、情報、専門知識などを他国と共有している。中国の経験は将来的にいかに安全に規制措置を解除するかを判断する上で極めて重要だ」としている。
社説は最後に、「感染症のピークにすでに直面またはこれから直面する多くの国が、人々は苛立ちを感じてしまう。しかしそれと同時に、集団やコミュニティの重要性をますます理解するようになる。欧州と米国の措置は、その他の地域の感染抑制に期待を寄せても、運命にゆだねるという気持ちで対策を遅らせても効果を生まないことを物語っている。国際社会が協力の精神を活用し、効果的に意思疎通することが極めて重要だ。WHOが世界の感染対策の調整で果たしている中心的な役割を継続していかなければならない。各国及び支援者はWHOのこれらの取り組みを支持するべきだ」としている。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年3月31日