米国の百人近い戦略界の人々が先ごろ共同で声明を発表し、米中の防疫協力強化を呼びかけた件について、中国外交部(外務省)の趙立堅報道官は8日、定例記者会見で、「中国側はこれを称賛し、歓迎する。今回の感染症との闘いは中米に協力の場を提供した」と述べた。
【記者】 米国で百人近くの戦略界の人々がこのほど共同で声明を発表し、米中の防疫協力強化を呼びかけ、米国の二大政党員もこれに賛同しているとした。同時に声明は、「中国は感染症の発生初期に問題を隠蔽し、透明度が不足し、米国や世界保健機関(WHO)と十分に協力することができなかった」としている。中国側のこの件に関するコメントは?
【趙報道官】 米国戦略界の人々は中米両国が協力して新型コロナウイルスと闘うことを望んでおり、この点は感染の世界的拡大と蔓延を阻止するうえで極めて重要だと考える。この声明は、このところ中米両国と国際社会の多くの有識者が発している前向きで理性的な声と一致している。中国側はこれを称賛し、歓迎する。
ウイルスに国境はなく、人種の違いも関係なく、全人類が直面する共通の試練であり、国際社会は力を合わせることでのみウイルスに打ち勝つことができる。中国は人類運命共同体理念を堅持し、今後も米国を含む世界各国と共に、防疫協力を強化し、世界の公衆衛生の安全を共に守っていくことを望んでいる。
先ごろ習近平国家主席とトランプ大統領は2回にわたって電話会談を行い、中米防疫協力の強化について重要な共通認識に達した。両国の保健当局と予防・抑制専門家は緊密に連絡を取り続けており、何度もテレビ会議で交流している。中国の多くの省・市、企業、団体は積極的に米国側へ医療物資の寄贈を行い、米国民の防疫の闘いをサポートしている。中国は米国政府・企業の中国での防疫物資購入に対しても積極的に手助けをしている。双方の製薬企業と科学技術界の人々も、ワクチンや薬物研究開発でコミュニケーションと協力を続けている。
この声明では、中国が初期に感染状況を隠蔽し、透明度が不足しているなどとしていたが、これは事実と全く一致していない。感染が発生後、中国は一貫して公開、透明、責任ある態度で、ただちにWHOに感染状況を報告し、ただちに各国と新型コロナウイルスの遺伝子配列を共有し、ただちに感染予防・抑制専門家の国際協力を展開し、ただちに他の感染拡大国に支援の手を差し伸べた。これら最も基本的な事実は国際社会から十分に評価されており、誰も否定し、消し去ることはできない。
今回の感染症との闘いは中米に協力の場を提供した。先ごろ習主席がトランプ大統領との電話会談で指摘した通り、中米は和すれば則ち共に栄え、争えば共に傷つくのであり、協力が唯一の正しい選択だ。米国側が中国側と同じように、両国元首が達した重要な共通認識に基づき、向き合って進み、防疫などの分野における協力を強化し、衝突せず、対抗せず、互いに尊重し合い、協力・ウィンウィンの中米関係を発展させ、中米両国民と世界各国の人々によりいっそう幸福をもたらしていくことを望む。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年4月9日