新型コロナウイルス感染状況の影響から、飲食業界は大打撃を受けたものの、逆境に屈することなく、必死にオンラインのルートを開拓する飲食店もあれば、なりふり構わず、ショート動画共有アプリ「抖音(Tik Tok)」を活用したり、弁当を販売したりする高級飲食店もある。また、オンラインで地元の特産品を販売したり、コミュニティECを採用したりして、積極的に新たな成長ポイントを探すチェーン店もある。中国青年報が報じた。
高級志向のレストランが抖音活用し、弁当販売も
羲和国際餐飲集団の常聖彬副総裁は、Tik Tokに「二姐夫」というアカウントネームで登場。「二姐夫は、学識があり、古風な感じ。普通の人より料理が上手だし、プロのコックより親しみやすい」と評価する声もある。同集団の張鈞董事長は、「新型コロナウイルス感染拡大防止対策実施期間中、Tik Tokで活動を展開することで、会社の存在感を示した。それに伴った販売で、経営問題を根本的に解決することはできないが、それでも会社をアピールすることができてとてもよかったと思う」とした。
同集団は、中国全土に37店舗を展開し、従業員は2000人以上に達している。傘下のレストラン・羲和雅苑もアイデアを駆使し、春節(旧正月、今年は1月25日)が明けて以来ずっとデリバリープラットフォーム・美団と提携してデリバリーサービスを行っている。デリバリーでは、同レストランの北京ダックが大人気となっている。現在、北京のレストランは、店内での食事を一部再開しているものの、厳格な感染防止対策が依然として実施されているため、売上高は通常の30%にまで落ち込んでいる。北京以外の地域のレストランの売上高は40-50%にまで回復しており、60%まで回復した店舗もあるという。張董事長は、「これまで羲和雅苑は高級志向で、弁当を販売することはなかった。でも、今は店舗周辺の会社と提携してオーダーメイドの弁当販売を行っている。価格は25元(1元は約15.1円)、35元、48元の3種類。1ヶ月間の出勤日数22日間の弁当は毎日異なったメニューを提供している。今は腰を低くし、オープンな思考で展開していくしかない。まずは生き残ることが先決だ」と話す。
3店舗を展開し、25年の歴史を誇る北京小王府餐飲管理有限公司も同じようにこれまではオフィスビルのホワイトカラーや外国人を主な客としていたものの、「新型コロナウイルス感染拡大防止対策実施期間中、デリバリー用のセットを研究開発した」とし、王勇董事長によると、「すでに一部の常連客が注文してくれている」という。
オンラインで地元の特産品販売強化、コミュニティECへ参入
北京のあるIT企業に勤めている朱珠さんは最近、微信(WeChat)のミニプログラム「■鼻尖(■は舌へんに忝)」が販売している雲南省の烏骨鶏にはまっている。「■鼻尖」は、飲食チェーン企業の雲海肴が商品販売のために設置しているミニプログラムだ。同社の趙晗董事長は、「当社は雲南省の食品サプライチェーンをよく把握しており、新型コロナウイルス感染拡大防止対策実施期間中は、主にオンラインで商品を販売している。また、美団などのプラットフォームを活用しており、オンライン販売業務チェーンを速やかに整備したいと思っている」と説明する。