張さんは、「子供の頃から都市で生活している子供たちは、一粒の穀物を収穫するのがどれだけ大変かを知らないため、食べ物を大切にする意識が低いのではないか」と考えている。
では、どのようなことが原因で、一部の若者はあまり食べ物を大切にしなくなっているのだろうか?調査結果では、80.0%の対象者は「物質的な条件が良くなり、倹約や節制を意識できない」と考えており、61.7%は「若者は農作業をよく知らず、食糧を生産することの大変さを理解していない」、58.4%は「若い世代には飢えに苦しんだ記憶がない」と回答、40.3%は「面子や見栄を重視して、贅沢や浪費をしている」とズバリ指摘した。
中国農業大学食品科学・栄養工程学院の朱毅准教授は、「倹約は中華民族の伝統的な美徳であり、物資供給が豊かになった今でも、大いに広めるべきだ」と指摘する。
調査では、自分の「食べ物を無駄にしない意識」について、82.2%が「強い」、14.6%が「普通」と回答し、「強くない」と回答した人はわずか3.2%だった。注目すべきは、「00後」で「自分は食べ物を無駄にしない意識が強い」と回答した割合(84.1%)が「90後」(82.0%)や「80後」(81.5%)より高かった点だ。
食べ物を無駄にしない意識の育成が与える影響について、70.5%の対象者は「青少年が労働者を敬うようになる」と回答、58.1%が「倹約や節制の心を育てることができる」、58.0%が「自然や命を畏敬するようになる」と回答した。その他の影響としては、「科学的で健康的な生活理念を育成」(49.6%)、「危機意識と平時から備える意識ができる」(40.8%)、「社会的責任感が育成される」(30.1%)などがあった。
96.2%が「生活レベル向上と節約・節制は矛盾しない」と回答
朱准教授は、「食べ物について言う節約や節制は、食べ物に使うお金を節約するということではなく、食べ物の生産に費やした自然資源を無駄にしないということだ。現在、食料価格は労働力と生産手段投入の価値にすぎず、生態環境の面での消耗は入っていない。環境資源を大切にすることは、人類にとって永遠の美徳だ」と述べる。さらに、「節約というのは低効率や低品質を意味するのではない。むしろ合理的な配置の下で利益は多くなる。そして個人にとっては、節約や節制は人としての素養や、家庭での教育・家風、資質や品位の体現でもある」との見方を示す。
食べ物を無駄にしない意識を育成することについて、調査では、71.1%の対象者が「科学的で健康的な飲食モデルを広める」ことを提案。61.7%が「レストランやホテルに対し標語を掲示するように奨励する」、58.0%が「公益活動をして、宣伝を強化してほしい」、57.7%が「節約をすることが晴れがましいことで、無駄にすることは恥だという社会的雰囲気を醸成してほしい」、32.0%が「法規・政策を改善し、厳しく罰してほしい」と回答した。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年8月31日