中国焙烤食品糖製品工業協会が先ごろ発表した「2020年中国月餅業界発展趨勢報告書」(以下、「報告書」)によると、今年の中秋節の月餅市場は本格的な販売の時期が遅れ、短期間に大量に売れるという特徴を示している。販売価格はほぼ横ばいか小幅上昇すると見られるが、利益増の余地はあまり残されていない。南方日報が伝えた。
◆価格変動は小幅、月餅小売価格は100元前後を維持
報告書によると、企業は今年の関連コストの高騰を受け、合理的な利益と販売量を確保するため商品価格を適度に引き上げるが、その幅が大きくなる可能性は低い。主要商品の価格帯はほぼ変化せず、大半の贈答用の月餅セットの価格は80−160元(1元は約15.56円)の間に集中する。全体的な価格帯は引き続き「ラグビーボール型」を呈し、中価格帯の商品が依然として市場の主力商品になると指摘している。
広東風や香港風の月餅がECサイトで常に人気となっており、京東ビッグデータ研究院が作年発表したデータによると、広東風月餅の売上がトップだった。オンライン購入案内プラットフォーム「返利網」が発表した消費データによると、中秋節の広東風月餅の販売量は4大月餅スタイルのトップで、全体の59.49%を占めている。2位は蘇州風月餅で21.7%。広東風月餅は2年連続で「国民の月餅」という地位をキープしている。
また焼かないタイプの氷皮月餅やトロリとした餡が特徴的な流心月餅など洋菓子風ともいえる広東風月餅は、味の改善により多くの若い消費者から好評を博している。
◆より斬新な月餅が市場に進出
数年前からしょっぱい餡の月餅と甘い餡の月餅のどちらが良いかというのが、中国の北方地域と南方地域の議論の争点になってきた。しかし近年は、ホタテの貝柱月餅やトリュフ月餅など、新しい味の月餅が次々と登場している。そして月餅における「争い」はもはやしょっぱさと甘さだけではなく、革新と伝統の差にまで広がっている。
報告書は、今年の月餅市場の消費は依然として伝統的な商品と味が主流で、地方色のある月餅商品も人気を復活するとした。また斬新さを求める消費者を満足させるため、より多くの創意ある月餅商品が販売される。スタイルは広東風と蘇州風、北京風が依然として中心的で、かつ地方色のある、中国と西洋を結びつけた多くの月餅も登場し、引き続き消費の成長源になるとした。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年9月7日