中国科学院南京地質古生物研究所が8日明らかにしたところによると、同研究所の早期生命研究チームは米国の学者と協力し、中国の湖北省三峡地区の石板灘生物群の中から木の葉に似た4種の古生物を発見した。これらは本物の木の葉ではなく、実際には特異な形をした早期動物で、古代の海底に生息していた。新華社が伝えた。
この研究に参加した中国科学院南京地質古生物研究所の厖科副研究員によると、今回新たに見つかった4種の古生物は今から約5億5000万年前の海底に生息していたが、現在は完全に絶滅している。この4種の古生物の形状は似ており、体長はいずれも10センチ前後で、木の葉の形をしている。
特異なのは、こうした古代の「木の葉」の底部に円形の吸盤があることだ。吸盤によって海底に付着し、「葉柄」と「葉」に当たる部分が海水の中で直立する。こうした海底の「木の葉」は普段、海水の動きによって揺れ動く。研究者は、この揺れ動きにより海水中の有機物の粒子状物質を吸収し生存していたと推測している。
厖氏は「5億5000万年前、この海底の『木の葉』は数が特に多く、非常に広く分布していた生物だった。しかし現在も、その生物学的属性に対する人類の知見は少ない。その生存していた年代は、有名なカンブリア爆発よりも前だ。この古代海底の『木の葉』の謎を解くことで、人類が早期の生命進化を模索する重要な手がかりになる可能性がある」と述べた。
関連研究成果はこのほど、古生物学の国際的な専門誌「Journal of Paleontology」に掲載された。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年9月9日