イラスト作成・陸凌興
ジョンズ・ホプキンス大学の統計データによると、米国東部時間11月17日午後6時の時点で、米国で同日新たに確認された新型コロナウイルス感染者は14万7千人を上回った。ニューヨーク・タイムズによると、現在、米国全体で新型コロナウイルス感染者数が増えている。過去1週間で米国では、1日平均155442人の新型コロナウイルス感染者が増加した。(文・王政淇。人民網掲載)
しかし、米国政府は感染症対策の失敗を示すこの数字を意に介していない。翌日、マーク・メドウズ大統領首席補佐官は、「米国は新型コロナウイルス感染症拡大を抑制しない」と発表した。この発表が行われると、世論は騒然となった。ある評論は、「ホワイトハウスはずっと続けてきた『感染症対策』を公にしたにすぎない」と指摘した。ホワイトハウスは自国の感染症対策では何もしなかったというのに、世界の感染症対策協力を損なうことには余すところなく力を注いだ。防疫物資の輸出を禁じ、世界保健機関(WHO)への資金拠出を停止し、ワクチン民族主義を取るなど、その覇権主義的行為によって、世界の感染症対策におけるどの肝心な局面においても、全人類と対立する側に立ってきた。
4月14日、米国政府はWHOが感染症の予防・抑制において何もせず、感染症情報の報告が迅速ではなく不透明だったとして非難し、WHOへの資金拠出を一時的に停止すると発表した。国内での感染状況が深刻化するにつれて、米国政府のWHOに対する非難はますます激しいものとなった。7月6日、米国は国連に対し、2021年7月にWHOを脱退すると通知した。この行動は学術誌「ランセット」のリチャード・ホートン編集長から、「世界が人道主義上の緊急事態に直面している大事な時に米国がWHOを脱退するのは、『ならず者』のような行為にほかならない」と激しく非難された。
世界の感染症対策協力を損なう米国の動きを示すタイムライン(作成・王瀟瀟)
ワクチンはパンデミックを収束させるためのカギであり、ワクチンの共同研究開発と公平な分配はすでに世界各国の普遍的な共通認識となっている。しかし「米国ファースト」の態度を取る米国当局は、感染症が拡大した当初からすでに「ワクチン民族主義」を取っていた。WHOの10月24日のデータによると、現在すでに172の国と地域が国際共同購入で新型コロナウイルスのワクチンを公平に分配する枠組み「COVAXファシリティー」に参加している。この枠組みは、2021年末までに世界範囲で少なくとも20億個の安全で有効な新型コロナウイルスワクチンを提供することを目標としている。WHOは様々な場面で、国際社会に対し、「一切の代価を惜しまず、ワクチン民族主義による危険を回避しなければならない」と呼びかけている。しかし、米国はその道のりからますます遠ざかっている。
感染症が世界的に拡大して以来、世界で最も先進的な医療条件を有する米国は感染症への対応が最も十分ではない国となった。国際社会は米国のその不適格な対応に失望しており、米国はあるべき指導力を示さず、感染症対策において踏み出したどの足取りもすべて間違ったものだったと認識している。
惜しむらくは、米国が外部の批判を無視して取り合わず、独断専行している点だ。20万人以上の命が犠牲となった人道主義上の災難を前にして、米国が早く目覚めてほしい。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年11月18日