第13期全国人民代表大会(全人代)代表で、航空工業特殊飛行器研究所シニア設計師の張金華氏は3日、取材に対し、「航空工業所属の航空工業特殊飛行器研究所が独自開発した民間有人飛行船AS700が、今年下半期に初飛行を実現する見通しだ」と話した。科技日報が伝えた。
張氏によると、AS700は中国内外の低空観光市場の需要、中国民用航空局飛行船の型式認定審査の要求に基づき、「1機マルチタイプ、シリーズ発展」の設計方針に従い、航空分野の先進的な設計理念を導入し独自開発した有人飛行船だ。2018年6月にプロジェクトを立ち上げ、同年8月に正式に研究・製造が始まった。
張氏によると、AS700の操縦士は1人で、乗客の定員は9人。一般的な単一船体で、流線型のフォルム、X字尾翼を持つ。シングルポイントの固定式着陸装置となっている。その最大航続距離は700キロメートルで、最大航続時間は10時間。
張氏は、「軽量高分子船体材料と信頼性の高い引き裂き防止構造・設計を採用しているため、ヘリウムガス安全弁により加圧を防止し、操縦システムがコントロールを失った場合でも、安全に着陸できるように設計されているAS700は、安全性が非常に高い」と説明した。
さらに、「軽量・低コスト複合材の船体を採用したAS700は、船体の前部は乗員室、後部は動力燃油室だ。乗員室は一列に座席が一つずつ並び、左右に大きな窓が設置され、乗客の観光体験を大幅に高めている。同時に棚や洗面所などの生活設備を追加し、快適で豪華なバージョンに改装することで、複数の市場の需要を満たせる。船体の底部には予め取付部を設置しており、光電ポッド、高画質撮影設備などを搭載し、航空測量や空撮など複数の任務を遂行できる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年3月4日