日本国内で外国人登録しているクロアチア国籍者は78人(04年12月末)。東京都足立区に住む農林水産省職員の神前(こうざき)悠治さん(28)の妻、イレナ・ケチュケシュ神前さん(32)は、数少ないクロアチア国籍の一人だ。祖国にとっても決勝トーナメント進出のため負けられないゲームだけに「テンション(緊迫
感)の高い試合になる。クロアチアが勝つ」と言って自宅のテレビ前で声援を送った。
イレナさんは首都ザグレブから南西約45キロのカルロバツ出身。木版画を学ぼうと02年4月に来日し、東京芸術大大学院に留学。この年のW杯日韓大会では、クロアチアのサポーターたちの日本での案内役を務めた。
留学中に東大大学院生だった神前さんと知り合い、04年7月に結婚した。今年5月、長女愛真(えま)ちゃんが誕生したばかり。愛真ちゃんには、イレナさんの母ネダさん(61)が贈ってくれたクロアチア代表のユニホームの背中に、日の丸を刺しゅうした特製の子ども服を着せた。
イレナさんは「サッカーのおかげでクロアチアを知る人たちが増えたので、とてもうれしいです」と笑顔で語る。神前さんは「日本は勝たないと後がない。絶対に勝ってほしい」と話し、夫婦それぞれの応援に複雑な表情だ。【木村健二】
母国クロアチアを応援するイレナ・ケチュケ
シュ神前さん=東京都足立区内で18日
午後3時5分ごろ、木村健二写す
毎日新聞 2006年6月18日 20時27分 (最終更新時間 6月18日 20時56分)