法務省と警察庁は、保護観察対象者の所在が分からなくなった場合、両省庁で情報を共有して行方を調査することを決めた。12月に暫定的な運用を始め、来年度から本格実施する。保護観察中に更生保護施設から姿を消した男が逮捕・起訴された愛知県安城市の幼児殺傷事件(今年2月)で、調査態勢の不十分さが指摘されたことから、両省庁が連携して迅速に所在を調査することで再犯防止を図ることにした。
新たな仕組みでは、保護観察中の仮出所者や執行猶予者が所在不明になった場合、保護観察所が都道府県警に通知し、所在調査への協力を要請する。従来は、警察に連絡せず保護観察所が独自に調査することが多かった。今年8月現在、保護観察対象者の約6%に当たる1515人が所在不明になっている。【森本英彦】