警視庁が古物商から押収した象牙=万世橋署
環境相への登録がない象牙を取引したとして、警視庁は20日、東京都台東区の古物商の男性社長(35)=千葉県松戸市=や客ら計27人(うち1人は死去)を種の保存法違反(譲り渡しなどの禁止)容疑で書類送検し、発表した。
同庁は昨年2月以降、国内で象牙の違法取引が横行しているとみて、捜査を進めてきた。
生活環境課によると、社長は2015年12月~16年2月、客18人に計355万円を渡し、無登録の象牙18本を買い取ろうとした疑いがある。登録業務をする自然環境研究センター(自然研、東京)への手続きを代行していたが、申請書類には象牙の入手経路などを偽って記入していたという。社長は容疑を認め、「自然研には事前に問い合わせたが、手続きを代行しても良いと言われた」と話しているという。
同課は、法人としての同社も同容疑で書類送検した。
社長は昨年、朝日新聞の取材に「象牙を客から買う時は、もちろん事前に客に登録してもらう」などと話していた。(荒ちひろ)