第32回社会人野球日本選手権大会(毎日新聞社、日本野球連盟主催)は19日、大阪ドームで開幕する。単独チーム日本一に輝くチームはどこか。9日間の熱戦を展望する。
優勝旗であるダイヤモンド旗争奪の軸には日本生命を挙げたい。中軸の下野、確実性の高い佐々木正をはじめ打者の層は厚く、機動力を生かした攻めにもたけている。投手では、春先から出遅れて都市対抗本大会で出番のなかったエース国安が復調した。大会中に36歳になる土井も健在だ。同大から2年目の渡辺亮ら若手の出来が鍵になる。
最大の山場はシダックスとの1回戦か。来季はプロ野球・楽天監督に就任する野村監督が率いるシダックスは、左腕・武田、右腕・加納に、豊川高から1年目の左腕・森福を加え投手陣に安定感がある。昨季まで攻撃の中心だったキューバ勢はいないが、最後の野村采配に選手が応えるか。
今夏の都市対抗を制した三菱ふそう川崎は4年ぶりの登場。全日本の中心打者でもある西郷、高根沢らの打線が持ち味の破壊力を発揮すれば、10年ぶりの選手権制覇も見えてくる。同じブロックに入ったNTT西日本は、岸田、斉藤の両右腕はじめ攻守に充実した戦力を誇る。
左腕・坂本を中心に投手層の厚いホンダ、今夏の都市対抗で69年ぶりの4強入りを果たしたJR九州も存在感を示しそうだ。
前回優勝のJFE西日本は、エース山下敬を故障で欠く。投の柱として急成長を見せる20歳右腕・陶山を、4番・大崎らの打線が援護するか。ここ2大会連続準優勝の大阪ガスは、今夏の都市対抗出場を逃した分も、この大会にかける。投手力は高いだけに、課題は得点力。休部したJR西日本から今秋移籍加入した平山ら、打線の奮起に期待したい。【藤倉聡子】