○東海REX3-0JR四国●
東海REXが3投手の継投で零封勝ち。先発・小西が低めに制球して5回3安打と流れを作った。打線は三回に上月のスクイズで先制。五回には敵失で、六回にも久保の二塁打で加点した。JR四国は安打数で上回ったが、決定打を欠いた。
▽東海REX・喜多崇監督 先発の小西がよくゲームを作ってくれた。まず1勝と思っていた。(6月に急逝した)前監督にいい報告ができます。
▽JR四国・岡本尚史監督 好機は再三あったが、打線がつながらなかった。特に七回無死一、二塁を逃したのが痛かった。攻撃力を強化したい。
◇「守り勝つ野球」実践 東海REX
各選手が課せられた役割を果たして奪った先制点が、東海REXに勝利を引き寄せた。
三回1死一塁から林の右前打で走者は一気に三塁へ。「打球が一、二塁間を抜けるように考えて打った」と林。昨年の都市対抗決勝で、王子製紙の補強選手としてサヨナラ本塁打を放ったスラッガーは、出塁率の高さから1番に起用された。状況に応じたチーム打撃で、チャンスを広げた。
続く上月は、2球目の外角変化球に腕を伸ばして食らいつき、スクイズを決めた。「先制点が欲しかった。転がせばなんとかなると思った。この野球で結果を出してきた」と上月。「早い回だったので、スクイズを成功させても構わない」と考えたJR四国の岡本監督に対し、得意の攻撃で奪った先制点は東海REXを勢いづけた。
五回まで3安打無失点7奪三振と好投した先発・小西をはじめ、投手陣が零封リレー。守備も無失策と、喜多監督が掲げる「守り勝つ野球」を実践できた。「全国での1勝は自信になる」と主将の八重。クラブ化以降、初の全国舞台を踏んだチームが、最高のスタートを切った。【村社拓信】
○…無得点に終わったJR四国打線の中で、7番・原が4打数4安打と気を吐いた。今夏の都市対抗では3番を務めたが、今大会前に不振に陥り、この日は7番に降格。だが「その分、気楽に打席に立てた」と、二回にフォークを中前打に運び、その後も3安打。チーム7安打のうち、半分以上を一人で稼いだ。だが、試合後は「いくら打っても負けたら同じ」と険しい表情。「気持ちに余裕があれば、力を出せることが分かった。これを来年につなげたい」と続けるのがやっとだった。