東京都港区南麻布の大学生、上嶋浩幸さん(当時18歳)が05年11月にパロマ工業製の瞬間湯沸かし器で一酸化炭素(CO)中毒死した事故で、事故器の安全装置は、96年に同区赤坂のマンションで起きた死亡事故と同じ方法で改造されていたことが警視庁捜査1課の調べで分かった。赤坂の事故現場のマンションでは別の部屋の湯沸かし器でも同じ改造が見つかった。同課は3カ所の改造が共通している点に注目。同一業者による改造の可能性とともに、改造方法を示すマニュアルがあった疑いもあるとみて調べている。
湯沸かし器の安全装置は外側に二つの端子がある。本来は2本のリード線がそれぞれ別個の端子に接続されているが、上嶋さん方の湯沸かし器は2本のリード線が一方の端子だけに接続されていた。96年3月に赤坂のマンションで山根敦さん(当時21歳)がCO中毒死した事故の湯沸かし器も同様の改造が施されていたほか、このマンションの別室でも同じ改造の湯沸かし器が見つかった。
全国各地で判明している安全装置の改造は、リード線を使って2本の端子をつなぐなど別の方法も明らかになっている。
港区でパロマ製品の修理を代行していたのは同じ協力会社だったが、同社は毎日新聞の取材に「改造することはあり得ない。修理は他の業者がすることもある」と話している。【宮川裕章】
毎日新聞 2006年7月24日 12時52分