サッカーのU22日本代表に追加招集された柏のFW李忠成(り・ただなり)=21=が存在感をアピールしている。韓国籍だった李は9日に日本国籍を取得したばかりだが、熊本合宿初日の18日の紅白戦でいきなり2ゴール。北京五輪予選に臨む日本の「秘密兵器」になるか注目されている。
「僕は(合宿に招集された24人中)24番目の選手。日々チャレンジするだけ」。控えめに語る言葉とは裏腹に、プレーは思い切りの良さが光った。1点目はバックヘッドでゴールに流しこむ技ありの一発。2点目は得意の左足でゴールネットを豪快に揺さぶった。
東京生まれの李は04年にFC東京入り。05年に柏に移籍すると、昨季はJリーグ2部(J2)の31試合で8得点を記録した。反町康治監督は「瞬間的にDF裏へ飛び出す力があるし、ポストプレーもできる。課題はまだまだたくさんあるが、自分の長所を周りに伝えようとする積極性がある」と高い評価を与えている。
期待されているのは、得点ということは分かっている。本人は「周りはみんな個人能力の高い選手ばかりで、びっくりした。でも、FWは使われる身だから、それはプラス材料。いいパスをもらうためにも、一日も早く周囲に認められたい」とどん欲に語った。
U22代表は21日にU22米国代表と強化試合を戦ったあと、28日に東京・国立競技場で北京五輪アジア2次予選の初戦、香港戦に臨む。李にすれば、まずはチーム内のサバイバル戦を勝ち抜くことが目標だ。「言葉ではうまく言い表せないけど、自分ならではの良さがあると思う」。利き足が左というのも、大きな武器となるはずだ。【安間徹】
毎日新聞 2007年2月19日 9時54分 (最終更新時間 2月19日 10時21分)