TBS株15%超を取得し、経営統合を申し入れているインターネット事業大手、楽天が主取引銀行の三井住友銀行など大手3行に数百億円規模の新たな資金調達を要請していることが、20日明らかになった。楽天が経営統合の早期実現を目指すため、TBS株の更なる買い増しに踏み切ることを視野に入れて、統合交渉に臨んでいることを裏付ける動きと言えそうだ。
楽天は三井住友のほか、みずほコーポレート銀行と住友信託銀行の3行に、融資枠契約(コミットメントライン)を数百億円規模で増枠するように要請した。融資枠契約は銀行が有力企業向けに事前に融資額の上限を設定し、範囲内であれば、企業はいつでも使途を問わず、資金を借り入れることができる。楽天はすでに3行などと1000億円規模の融資枠を設定しており、このうち総額約880億円かかったTBS株の買収のために数百億円を使った。
今回の増枠要請はTBSとの統合交渉が難航した場合、TBS株の更なる買い増しも想定して資金調達の道を確保する狙いがあると見られる。