北海道積丹町の積丹岳(1255メートル)で18日午後雪崩が発生し、スノーモービルに乗っていた4人が行方不明となった事故で、同日夜、男性1人が遺体で発見された。捜索関係者によると、亡くなったのは小樽市富岡の運送業、渡辺正博さん(44)とみられる。3人の行方は依然分かっておらず、道警余市署や自衛隊、ボランティアなど約200人が19日午前5時半から捜索を再開した。
同署によると、このほか、行方不明になっているのは▽北見市北上の自営業、大矢根博さん(59)▽札幌市豊平区月寒東の会社員、内多吏(おさむ)さん(34)▽同市西区西町北、店員、山際友貴哉(ゆきや)さん(20)。頂上付近で救助を待っていた骨折者1人を含む10人は18日深夜までに無事、下山した。
遺体は事故から約2時間後の18日夕に仲間が発見、吹雪のため運び出せず、19日午前8時40分に道警が収容した。このほか、スノーモービル5台も発見した。捜索に当たっている陸上自衛隊第11師団によると、雪崩が発生した7~8合目付近の天候は、風速7~10メートルの吹雪で、視界50メートルと悪く斜度は35度という。
22人のうち、けがのなかった17人は、現地対策本部が設けられた同町婦美町の婦美会館に宿泊し、余市署が事情を聴いている。同署によると、事故当時、一行22人のうちカメラマン2人、スノーボーダー3人の計5人が徒歩で9合目まで登り、スノーモービルを撮影しようと待ち構えていた。しかし、後続が来ないため、下山を始めたところ雪崩が起きているのに気付いた。
残りの17人は上下二手に分かれて登っていたが先頭の1台が雪崩に遭い、その後、後続の13台が巻き込まれた。3台は難を逃れたという。【木村光則、和田浩幸、金子淳】
毎日新聞 2007年3月19日 11時00分