大田原高校山岳部の活動を紹介する写真(学校の公式ホームページから)
強気の野球選手、父親似で背が高い子――。雪崩事故で突然命を絶たれた高校生たちを、知人たちが悼んだ。
高校生7人と教員1人の死亡確認 栃木の雪崩事故
居間の布団にいた鏑木(かぶらぎ)悠輔さんは、普通に寝ているようだった。大田原高校2年で同じクラスの高久蓮(たかくれん)さん(17)は28日午前、亡くなった鏑木さんと対面した。
保育園から高校まで一緒に通った幼なじみ。「かぶ」と呼び、中学校まで同じ野球チームで、小学校時代はバッテリーを組んだ。投手の鏑木さんは、明るくて前向き。強気の投球でチームを引っ張った。
高校で山岳部に入った鏑木さんと、野球の話もよくした。先日、日本で2番目に高い北岳の山頂にいる写真を携帯電話で見せてもらった。富士山を背景に、「かぶ」も楽しそうだった。
昨日、事故に巻き込まれたと聞き、LINEや電話で呼び続けた。中学時代の友人5人と鏑木さんの家に行った。待っている間、母親は「あの子はけがをしても、にこにこ帰ってくるよ」と話していた。
今朝対面した鏑木さんの顔は、傷がなくきれいだった。「ずっと一緒にいたので、実感がわかない」。そう話すと口を閉ざした。
「信じられない」。1年生の奥…