アメリカで金融危機が続いていることを受けて、不良債権処理のための新たな組織の設立に向け、政府・議会が調整に入りました。これを受け、18日のニューヨーク株式市場は急反発しています。
「皆さんご安心下さい。我々政府は、金融市場の強化・安定と投資家の信頼回復のため行動をし続けます」(アメリカ ブッシュ大統領)
予定されていた国内遊説を急きょキャンセルして、金融危機の対応にあたったブッシュ大統領は18日、市場の安定に全力を挙げる考えを表明しました。
これを受けて、ポールソン財務長官とFRBのバーナンキ議長は、金融機関などの不良債権を買い取って処理する組織を新たに設立する方向で具体的検討に入り、大統領と協議した後、ただちに議会指導部との調整を行いました。
「金融機関のバランスシート上にある流動化できない資産を処理するため、立法措置が必要な包括的対策について話し合いました」(アメリカ ポールソン財務長官)
不良債権処理の組織としては、アメリカでは80年代にRTC=整理信託公社が大きな成果を挙げたとされていて、日本でもバブル崩壊後、それをモデルに整理回収機構がつくられており、今回もそれらを念頭に置いているものとみられます。
18日のニューヨーク株式市場は、新組織の検討が伝えられると一気に410ドルも急反発し、市場の期待感がいかに大きいかを示していて、当面は政府・議会が一体となって、どこまで包括的な対策を打ち出せるかに市場の関心が集まることになりそうです。(19日11:45)