去年、沖縄で起きたひき逃げ死亡事件で、アメリカ兵の男が７日、自動車運転過失致死の罪で起訴されました。これを受け、アメリカ兵の身柄は日米地位協定に基づき、日本側に引き渡されました。

　自動車運転過失致死の罪で起訴されたのは、アメリカ陸軍所属の２等軍曹クライド・ガン被告（２７）です。

　起訴状によりますと、ガン被告は去年１１月、沖縄県読谷村で当時６６歳の男性を車ではねて、死亡させたものです。ガン被告は事件後、任意の事情聴取に応じたものの、その後、拒否を続けており、このため警察はひき逃げ容疑ではなく、自動車運転過失致死の疑いで、今月４日、書類送検していました。

　「村をあずかる首長として、ものすごく残念。身柄の確保に２か月もかかった」（読谷村　安田慶造 村長）

　「地位協定の改定が必要という感じを強く持った」（沖縄県　仲井真弘多 知事）

　今回の事件は、書類送検から３日という異例の速さで起訴されました。過去、沖縄で起きたアメリカ兵による別のひき逃げ事件では、書類送検から１日で起訴。また、２００１年に起きた連続放火事件では、送検から２日で起訴に踏み切りました。

　スピード起訴の背景には、身柄の引き渡しを求める県民世論の高まりがあります。今回のひき逃げ事件でも起訴を受けて、アメリカ兵の身柄は７日、日本側に引き渡され、警察は今後、ひき逃げ容疑での立件を視野に捜査を続ける方針です。（07日19:30）