元・代議士の逮捕です。柴野多伊三・元衆議院議員が社長を務めるバイオ燃料開発会社が架空の増資を行ったとして、東京地検特捜部は柴野元議員ら2人を逮捕しました。
「国民の富を、高い投資をして国益・個人益にしていって国を富ませる」(柴野多伊三容疑者〔去年10月〕)
講演会の壇上で投資を呼びかけるこの男。元・衆議院議員でバイオ燃料開発会社、「日本中油」の社長柴野多伊三容疑者(59)です。
「私が社長をしております日本中油で、上場の準備をどんどんしている」(柴野多伊三容疑者〔去年10月〕)
元・国会議員という肩書きを武器にバイオ燃料・開発事業への投資を募っていた柴野容疑者。しかし、この会社が行った増資は架空だった疑いが強まり、東京地検特捜部は、柴野容疑者と取締役の清水大作容疑者(40)を電磁的公正証書原本不実記録の疑いで逮捕しました。
東京地検特捜部によりますと、柴野容疑者らは去年12月、「日本中油」がおよそ12億5000万円の増資をしたように装い、ウソの登記をした疑いがもたれています。
逮捕前、清水容疑者はJNNの取材に対し、架空増資について関与を否定していました。
「架空増資の件は、私はずっと海外にいたので知らない。柴野元議員は選挙をやっていた。選挙の2~3か月前だったので、誰がどういうふうにやったかはちょっと分からない」(清水大作容疑者)
柴野容疑者は、1993年の総選挙で新生党から出馬して初当選。7月の参議院選挙では、自民党の公認候補として比例区で出馬しましたが落選しています。
特捜部は今後、資金の流れなどについて柴野容疑者ら2人を追及する方針です。(21日17:12)