沖縄大会では初戦突破後の球場と日時の多くが白紙になっている
――よし、勝ったぞー。さて次の試合はいつ? どこで?
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全国の先陣を切って高校野球の沖縄大会が23日に開幕した。勝ったチームの次戦の組み合わせ表を見ると球場と時間が白紙になっていた。調べてみると、そこには離島を多く抱える沖縄ならではの事情があった。
沖縄大会の初戦はすべて、抽選会で球場と時間が決まる。ただその後は、各試合が終わり次の対戦チームがすべて出そろってから、球場と試合時間を割り振っている。今年は準決勝と決勝が沖縄セルラースタジアム那覇(那覇市)で行われることが決まっているが、それまでは高校野球連盟の理事たちが各回戦ごとに協議して調整する。
全国には準決勝後に組み合わせ自体を再抽選したり、2回戦終了後に3回戦以降の球場を決めたりするところはあったが、各回戦ごとに会場と試合時間を決めるのは例がなかった。
沖縄県高野連の又吉忠理事長(58)は「僕たちが選手の頃からこうだった。いつからこの方式を採り入れているのかは、ちょっとわからない」と話す。
沖縄大会に出場する65校中、宮古高校(宮古島)や八重山高校(石垣島)など約1割にあたる7校が離島にある。距離的に遠く、交通手段も限られている。移動にかかる手間ひまへの配慮が必要となってくる。
離島の高校は優先的に第1試合に組まれる。早い時間に試合が始まれば、その日のうちに離島に帰りやすくなる。悪天候時に試合の開始時間が遅れても、天候が回復すれば第1試合から順に試合を行うことができるため、影響がでにくい。
また、今では改善されつつあるが、沖縄本島では交通の便が悪い地域もある。そのため、離島でなくても遠方にある高校を中心に、四つある球場のうち、なるべく近くの球場で試合ができるよう調整している。
沖縄大会は、基本的に週末にだけ試合を行う。球場と時間が決まってから、その準備するまでに時間的余裕があるため、この方式が可能だという。
開幕初日に宮古工業高校(宮古島)を破った前原高校(うるま市)も、次戦の球場と日時がまだ決まっていない。高宮城優主将は「次の試合がいつか決まらないのはいつものことだから。緊張を切らさずに練習したい」と話していた。(宮野拓也)