【シリコンバレー=兼松雄一郎】ソニーは3日、米サンフランシスコで開催中の「ゲーム開発者会議(GDC)」でゴーグル型端末を2016年前半に発売すると発表した。価格は未定。視界を覆い、体の動きとの連動性を高め没入感を出して「仮想現実」を演出する。新しいゲーム体験を生み出す狙い。ゴーグル型端末は韓国サムスン電子が米フェイスブック子会社と組み、米で昨年末に競合製品を発売している。ソニーも製品の投入を急ぐ。
9つの発光ダイオード(LED)をゴーグル本体に付け、カメラで読み取って頭や体の動きを画面に反映させる。据え置き型ゲーム機「プレイステーション4(PS4)」と連動させて使う。5.7インチの高精細の有機EL画面を採用。滑らかで遅れのない画像表示を実現し、没入感を出す。既に普及したゲーム機用コントローラーを手元の操作に使えるゲーム機大手としての強みも生かす。
端末では重心を頭頂に逃がすことで疲れにくく、簡単に外せるようデザインを工夫した。ソフトとしては海中探検、レース、シューティングゲームなどの開発が進んでいる。自社にゲームスタジオを持つ強みを生かし、端末と一体化して動くソフトを増やす。ソニーは昨年のGDCで試作品を発表し、他社にもソフトの開発を促している。
ゴーグル型端末の開発では、フェイスブックが昨年、ベンチャーの米オキュラスVRを買収し開発を進めている。ソフト市場ではゲーム分野がまず拡大するとみられており、開発競争が激しくなってきている。