九州電力(9508)は9日、2015年3月期の連結最終損益が1150億円の赤字(前期は960億円の赤字)になる見通しだと発表した。最近の電力の需給動向や経営効率化の状況などを踏まえ、原子力発電所の今年度内の全基停止を前提に予想値を算出した。従来は利益の見通しを「未定」としていた。前期に資産売却に伴う特別利益を計上した反動も出て、赤字幅が拡大する。
営業損益は600億円の赤字(同958億円の赤字)、経常損益は900億円の赤字(同1314億円の赤字)となる見込み。いずれも従来予想は未定だった。原発停止に伴う火力発電所向けの燃料費負担が膨らんでいるが、燃料価格の下落などで、赤字幅は前期より縮小する見通しという。
一方、売上高は前期比5%増の1兆8750億円とする従来予想を据え置いた。販売電力量の減少を、前期中に実施した電気料金の値上げや燃料費調整制度に基づく料金単価の引き上げなどで吸収する。再生可能エネルギー特別措置法に基づく交付金も増収要因となる。〔日経QUICKニュース(NQN)〕