【ニューヨーク=原真子】米中西部ミズーリ州ファーガソンで12日未明、同市警本部前で2警察官が銃撃された事件で、同市警は「待ち伏せによる奇襲だった」と発表した。同市警は引き続き容疑者の特定を進めている。AP通信によると、襲撃には拳銃が使われ、約110メートル先から発砲されたという。
銃撃が発生した際、警察本部前には約20人の警察官が立っていた。特定の個人を狙ったものでなく、警察を対象にした狙撃とみられる。
銃撃事件後、オバマ大統領は「正義への道は1つであり、我々全員が一緒に進まねばならない」とツイッターで訴えた。ホルダー司法長官も、銃撃事件について「許しがたく不快なもの」とし、「全米に広まった非暴力抵抗運動を脅かす行動」と強く非難した。
昨年11月、丸腰の黒人青年を射殺した白人警察官が不起訴となったのを機に、黒人差別に対する抗議活動は全米に広がった。米司法省が今月、黒人を差別する捜査がファーガソン市警で定着していたという報告書を発表していた。黒人青年の遺族も、銃撃について「意味がなく、いかなる暴力行為も拒絶する」という声明を出している。