追悼集会で泣き崩れる高校生たち=18日、米テキサス州サンタフェ、金成隆一撮影
米南部テキサス州の高校で生徒ら10人が犠牲になった銃撃事件を受け、学校近くの広場で18日、追悼集会が開かれた。大勢の市民が集い、隣の人と手を握り合って犠牲者を悼んで祈りを捧げた。事件現場に居合わせた生徒からは「空港並み」の警備態勢を求める声が上がった。
容疑者は17歳生徒、10人死亡 米テキサスの高校銃撃
テキサスの高校で銃撃、8人以上死亡 容疑者は同校生徒
集会では、アボット州知事や地元教会の牧師らが話す中、生徒らがすすり泣く声が広場に響いた。
参加した高校4年デビッド・サスタータさん(18)は校舎2階から屋外に避難した。「たった今、1歳年下の幼なじみが犠牲になったことがわかった」と涙を流した。幼少期から路上で遊び、高校でもアメリカンフットボールの練習を毎日のように一緒にやっていたという。
2月にフロリダ州の高校で起きた銃撃事件を受け、今回の事件が起きたサンタフェ高校でも銃の暴力に抗議する活動があり、生徒らが自発的に参加した。
サスタータさんによると、校舎の入り口に金属探知機を置くべきだとの考えが生徒の間では支持されている。「これだけの銃が出回っているのだから、普通に考えれば、学校も空港の中と同じ安全性を確保するべきだと思う」
高校2年のアリッサ・ボルさん(17)は事件前に容疑者と廊下ですれちがい、いつものように「ハイ」と声をかけた。
容疑者は暑い日でもコートを着るなど風変わりなところがあったという。「多くの生徒に無視されていたけど、私は自分がいじめられた経験があるので声は掛けるようにしていた。でも、まさかコートの下に銃を持っていたとは思わなかった」と話した。「もうあの学校には怖くて通えない」
保護者の姿も多かった。小学生の娘(8)を持つクリッシー・ガートナーさん(38)は「こんなに小さな町の校舎の中でも安心できない。銃は既に大量に出回っており手遅れ。どうすればよいのかさっぱりわからず、お手上げ」と話した。
サンタフェは、大都市ヒューストンから車で南に40分ほどの人口1万3千人の町。高校周辺には、牛や馬が放し飼いにされている農場も点在している。(サンタフェ=金成隆一)