西部ガスは13日、4月1日付で組織改正を実施すると発表した。大型液化天然ガス(LNG)基地、ひびきLNG基地(北九州市)が2014年11月に稼働したことを受けて、福北工場(福岡市)と北九州工場(北九州市)を廃止する。あわせて、LNG火力発電や太陽光発電などの電力事業を取り仕切る「電力事業企画部」を新たに設置する。
ひびきLNG基地が稼働したことにより都市ガス製造を取りやめた北九州工場は31日に、福北工場は6月30日をもって廃止する。廃止後は製造設備の撤去などに乗り出す。
電力事業企画部は発電事業のほか、電力小売事業に関しても管轄する方針だ。
西部ガスが組織改正に乗り出すのは、16年4月の電力自由化や、その後のガス自由化が迫っていることが背景にある。「九州電力をはじめとした電力会社、新電力、石油会社、LPガス、商社などの業界が都市ガスへ進出してくる」(酒見俊夫社長)とみており、これからは都市ガス業界に業界・エリアを超えた参入が始まる見通し。
自由化を前に収益力を高めるとともに、電力事業へ参入できる体制を整え、エネルギー業界の変革期を乗り越える考えだ。