北陸新幹線は14日、上り一番列車のかがやき500号が午前6時に金沢駅を東京に向け出発、開業した。東京駅には8時32分に到着した。
東京駅の始発、かがやき501号は同6時16分に出発、金沢に8時46分に着いた。
東京と金沢の所要時間は最速2時間28分と1時間20分短くなり、首都圏と北陸の移動がスムーズになる。2022年度には福井・敦賀まで延伸する予定。観光やビジネスだけでなく、太平洋側の交通網を代替する機能も担う。
加賀友禅などの和服姿の女性らの出迎えを受ける、東京発一番列車の乗客(14日午前、JR金沢駅)
開業式典で西日本旅客鉄道の真鍋精志社長は「北陸、首都圏、中京圏、そして関西がおおむね2時間半でつながるネットワークが実現する。北陸と広域の交流がより広がることを期待する」と述べ、太田昭宏国土交通相は「沿線で企業立地が拡大するなど大きな効果がある。ますます北陸が発展することを確信している」と期待を寄せた。石川県の谷本正憲知事は「地方創生が課題となるなか、石川は大きな優位性を得る。効果を県内すみずみまで波及させたい」と決意を示した。
長野駅での出発式で阿部守一知事は「『近くて遠い関係』だった北陸と『近くて近い関係』になる。北陸の皆さんとの交流を深める機会にしていきたい」と表明。新潟県の泉田裕彦知事は糸魚川駅の開業式典で、「西との接続がよくなったことで、新潟が関西の奥座敷にふさわしい場所だと知ってほしい」と語り、広域での観光交流に期待を表した。
北陸新幹線は1997年に運行を始めた東京―長野間を金沢まで延伸して開業。長野より先の230キロメートルの区間に飯山(長野県)、上越妙高、糸魚川(以上新潟県)、黒部宇奈月温泉、富山、新高岡(同富山県)、金沢(石川県)の計7駅が新設された。東京―金沢間450キロメートルのうち、上越妙高―金沢間の170キロメートルを西日本旅客鉄道が、それ以外を東日本旅客鉄道が管理運営を担う。