【ワシントン=川合智之】17日投開票のイスラエル総選挙でネタニヤフ首相が率いるリクードの勝利が確実になったことで、オバマ米大統領との確執が再燃しそうだ。3日に米議会で演説したネタニヤフ氏は、オバマ氏が推進する欧米など6カ国とイランとの核協議を「非常に悪い取引だ」と酷評しており、月末に枠組みの合意を目指す核協議にも影響しそうだ。
選挙は事前に接戦が見込まれていたため各国メディアの報道では「驚きの勝利」(英国放送協会=BBC)と受け止める見方が多かった。核開発などを巡ってイランの影響力が高まる中でネタニヤフ氏の強硬路線が受け入れられたとの分析もあった。
英紙フィナンシャル・タイムズは「ネタニヤフ氏は地滑り的な勝利を果たした」と指摘し、「イスラエルの穏健派や左派にとって衝撃の結果だ」と伝えた。米紙ニューヨーク・タイムズも「事前の世論調査を覆す、驚くべき結果だ」と報じた。
ロイター通信はネタニヤフ氏が勝利した背景について「イランの脅威が高まるなか、イスラエル人が不安を抱いていることが影響した」と分析するアラブ諸国高官のコメントを紹介した。