三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日午前10時21分、種子島宇宙センター(鹿児島県)から国産主力ロケット「H2A」の28号機を打ち上げた。安全保障や災害対策への活用を目的とし、宇宙空間から地上を観測する政府の情報収集衛星「光学5号機」を搭載している。約20分後に衛星を分離し、打ち上げは成功した。
情報収集衛星は地球の周囲から地上を監視する事実上の偵察衛星となる。高性能カメラで晴天時の様子を詳細に撮影できる光学衛星と、夜間や悪天候のときにも利用できるレーダー衛星があり、政府は合計4基を運用している。光学5号機は2009年に打ち上げ、設計上の寿命が近づいている同3号機の後継機で、性能も向上しているもようだ。
H2Aの打ち上げは今年2月以来で、14年度を通じて5回目。単年度としては最多となる。22回連続の成功を達成し、成功率は96.4%(28機中27機)に上昇し、国際的な信頼性の目安とされる95%を維持する。