JXホールディングスは26日、本格生産が遅れているチリのカセロネス銅鉱山の減損処理などで2015年3月期に1000億円の特別損失を計上し、連結最終損益が3200億円の赤字(前期1070億円の黒字)になると発表した。原油価格の下落で業績下方修正した2月時点から最終赤字が1100億円増える。石油や石炭事業でも減損損失を計上し、資源価格の下落の影響がさらに広がっている。
カセロネス銅鉱山は、JXグループのJX日鉱日石金属と三井金属、三井物産の3社が共同で権益を保有する。当初、4000億円以上を投じて開発し、日本の年間輸入量の約1割を生産する「日の丸銅鉱山」として期待されていた。
しかし、設備トラブルのためフル生産体制に移行できず、見込んでいた収益が上がっていない。会計ルールに沿って鉱山の事業資産を減損処理し、JXは500億円の損失を計上する。
カセロネス銅鉱山を巡っては三井金属も同日、損失を127億円計上すると発表した。15年3月期の経常利益予想を285億円から185億円(前期比35%増)へ引き下げた。三井物産は「今期に減損損失を計上する見通しで金額は精査中」としている。
また、JXはこのほかに北海とオーストラリアの石油権益で250億円、カナダの石炭権益でも250億円の損失を計上する。赤字額は予想より拡大するが、年16円配当は計画通り実施する。