成田空港で30日、1978年の開港以来続けてきた利用客らの身分証を確認する検問が廃止され、不審者の動きを把握するため、顔認証機能を持つカメラなどを配備した新しい警備システムの運用がスタートした。
成田国際空港会社によると、新システムでは通行人の顔を認証できる約190のカメラを駅や旅客ターミナルなどに備え、道路や駐車場には車両ナンバーを記録できる約140のカメラも設置。爆発物探知犬を導入して巡回も強化する。
正午ごろ、新システムに切り替わると車両入場ゲートでは、遮断機が上がったままになり、大型バスなどがスムーズに入構。駅でも身分証を確認する警備員の配置がなくなり、利用客らは立ち止まることなく出発ロビーなどへ向かった。
福岡市に帰省する東京都墨田区の主婦、久保寿美さん(39)は「身分証を準備する手間がなくなったのは便利。これまで以上にテロ対策を徹底してほしい」と話した。
空港反対運動などの影響で、成田空港は開港以来、検問を続けてきた。近年は駅や道路の計6カ所で警備員が身分証の確認や車両内の目視点検をしてきた。〔共同〕