疑似通貨「円天」を使った巨額詐欺事件で、被害に遭った出資者62人が健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」の元役員らに損害賠償を求めた訴訟で東京地裁は30日、請求をほぼ認め、元役員と元従業員、勧誘者に総額3億3千万円余りの賠償を命じる判決を言い渡した。
原告側代理人は「大規模な消費者被害で勧誘者の賠償責任を認めた判決は画期的だ」などとしている。
判決によると、L&Gは2001年以降、年利23~36%の高配当をうたい、新たに出資者を獲得するとマージンが受け取れる仕組みで資金を集めた。松本利幸裁判長は「新規加入者がねずみ算式に増えなければ破綻することは明らかだった」と会社側を非難した。
勧誘者の24人についても「行き詰まると分かっていたのに勧誘を続けた」とし、賠償額のうち約1億5千万円を元役員らと連帯して支払う義務があるとした。
円天詐欺事件では元L&G会長が組織犯罪処罰法違反罪で懲役18年の判決が確定。原告側代理人によると、被害者は全国で約3万1千人、被害総額は約540億円に上る。〔共同〕