【広州=中村裕】トヨタ自動車は1日、3月の中国での新車販売台数(小売りベース)が前年同月比20.9%減の7万1500台だったと発表した。8カ月ぶりに前年比でマイナスになった。中国市場全体の伸びが鈍化する中、値引きを中心に販売競争が激しさを増しており、「カローラ」を除く主力車種が軒並み販売を落とした。日系大手では唯一堅調だったトヨタの中国販売も、ブレーキがかかりつつある。
3月の販売を車種別に見ると、カローラは1万5000台と、前年同月比約30%増と引き続き好調だった。ただ、その他の有力車種が振るわなかった。小型車「ヴィオス」が同55%減の約6000台、多目的スポーツ車(SUV)「RAV4」が同40%減の約7000台、セダン「カムリ」が同20%減の約7000台だった。
販売が大幅に落ちたのは、市場で値引き合戦が激しさを増していることが背景にある。1台当たり数十万円の値引きをする販売店も少なくない。トヨタの販売店は、こうした値引き競争とは一線を画し、利益を重視する販売政策を一部で取り始めたことが、3月の販売台数の低下要因にもなっている。