【NQNニューヨーク=神能淳志】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落した。終値は前日比77ドル94セント(0.4%)安の1万7698ドル18セントだった。発表された米経済指標が市場予想を下回ったことを受け、米景気の先行き不透明感から米株式相場には売りが優勢となった。ダウ平均は下げ幅を191ドルまで広げる場面があった。
米民間雇用サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した3月の全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数の増加幅が市場予想に届かなかった。米サプライマネジメント協会(ISM)が公表した同月の製造業景況感指数も市場の予測より悪化し、米景気回復の勢いの鈍さが意識された。
もっとも、朝方の売りが一巡した後は米株式相場が下げ渋った。新たな四半期が始まる日とあって、安値圏では新規投資や持ち高調整とみられる買いが入り、相場を支えた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落し、前日比20.657ポイント(0.4%)安の4880.228で終えた。
業種別S&P500種株価指数は全10業種のうち5業種が下落した。「ヘルスケア」や「資本財・サービス」が大きく下げた。一方で「電気通信サービス」や「エネルギー」などは上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億株(速報値)、ナスダック市場は約18億2000万株(同)だった。
ゼネラル・モーターズ(GM)やフォードなど大手自動車株が安い。3月の新車販売台数が前年同月よりも減ったことが嫌気された。一部報道で商品供給元への値下げ圧力を強めていると伝えられたディスカウントストア大手のウォルマート・ストアーズも下落したほか、10%超の賃上げに踏み切ると報じられたマクドナルドも負担増の懸念から売りが優勢となった。
一方で、種子・農業製品大手のモンサントが上昇した。発表した四半期決算は減収減益だったが、悪材料が出尽くしとみた買いが入った。ダウ平均の採用銘柄では、金融のゴールドマン・サックスやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなどが買われた。
1日にニューヨーク証券取引所(NYSE)へ新規株式公開(IPO)した中小企業向けのクラウドサービスを手掛けるゴーダディは公開価格(20ドル)の3割超となる26.15ドルで通常取引を終えた。