【ニューヨーク=蔭山道子】米民間雇用サービス会社ADPが1日発表した3月の全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は前月比18万9千人増えた。増加数は2月の21万4千人と比べて縮小し、市場予想(22万5千人程度)も下回った。
雇用増加数が節目である20万人を下回るのは2014年1月以来、1年2カ月ぶりとなる。雇用者数は製造業で前月比減少したほか、建設業や金融サービス業などで増加の勢いが鈍った。ADPと共同で調査にあたったムーディーズ・アナリティクスは「原油価格の下落やドル高が労働市場に影響を及ぼしている」との分析を示した。
このリポートは米労働省が3日発表する3月の米雇用統計の先行指標として注目されていた。1日発表の内容を受け、エコノミストの間では「雇用統計の数字が予想を下回る可能性が出てきた」(JPモルガン・チェース)との見方も出ている。